練習のヒント

アルテ・フルート教則本持っている人はやってみて

フルートを初めて習うとき今でも使われている教則本といえば日本フルートクラブ出版のアルテ・フルート教則本。そう、「あの黄色いやつね」とよく言われているものです。比田井洵氏が加筆した全三巻からなるものです。私も8歳の時からアルテから入り、レッスンでは一巻目の15課まで発表会以外はこればかりでした。それから先のアルテ二巻、三巻ではエチュードやバロック音楽を勉強してきました。

フルートを初めて鳴らそうとする時、今では一般的に推奨されている低音域から始まるのではなく、いきなり中域から始まります。しかも、超初心者においては大変難しい音や指使いがはじめに出てくるのも特徴です。さらに、最初に出てくる練習曲のテーマは64小節もあります。貧血で目の前が真っ白になったこともありましたが(笑)今振り返ると楽しくなかったけど力はついたかなと思います。

比田井さんの文章がとても厳しめに感じてる方もいらっしゃると思いますが、これはこれで本当のことをさらりと書いてくれているなと今は思えます。例えば、「完全に仕上げるまでは先へ進まない」として、「完全にできた状態とはどのレベル?」って屁理屈を言いたくなりますけど(笑)、時間があって肉体が疲れにくく、忍耐があって精神力も強い人はかなり上手くなるのではと思います。(そんな理屈はきっといらない😅(笑))一冊に1年かけて進むとするとたった3年で中・上級レベルになると思います。

さて、今日はそんな黄色い教則本についてです。第1課に書かれている文章を見ますと古めかしい表現で、現在売られているものもそのままです。そのため今の子どもたちや若い人は理解しずらい表現だったりしますので、丁寧に読むなんてことをあまりしてこなかったのではと思います。レッスンでも生徒さんには「読んでおいてね」といって進んでしまうことも。使われている絵もまさに”昭和初期の絵”という感じでかえって新鮮さもあります(笑)この11頁〜21頁の10頁にも及ぶ解説をきちんと熟読する人はあまりいないかと思います。

でも、もし持っている方は時々眺めてみると良いと思います。現代使われている楽器の基準と違うところもありますけれど、ほぼ書かれていることを守れていたらちゃんと吹けるようになるでしょう。フルートを始めようと教室へ通い出したその時は音も出していないし、言われていることの半分は理解できずになんとなく進んでしまっていると思います。私などは小学生の頃は先生のおっしゃっていたことは部分的に記憶はありますが、この教則本の文章は入ってこず、挿絵だけは鮮明に残っていたりします(笑)

動かす指についても放している指の高さを具体的に「キィから8m/m位である」と書いていたりします。多くの場合この高さが高いために力んだり、動かしづらかったりしています。

音程のところは、今使われている周波数とは結構違うのでその辺りは置き換える必要があります。アンブシュアや楽器の当て方などは全てに当てはまることではないような部分は修正してレッスンでお伝えし、あとは家で読んでもらっていますが、時々やっぱり見直すことも必要だろうと思ってます。

また、載っている練習曲も速さがしっかりと指定されているのでメトロノームで吹いていくのも練習になりますね。途中から、「あれ?この曲ってこんなに早かったっけ?」となることもありますので、「いや、これで◯ついてるの、先生かなり甘くしてくれてたんだ」って思ったりします(笑)

今改めてこう文章にすると自分に対しても苦笑いしたりすることあります(笑)

(笑)が沢山(笑)

では、本日はここまで!時間ある人は是非最初から読んでメトロノームを使い、姿勢も見直して練習してみてくださいね😁