古い楽器を送った結果
先日こんな記事をあげた↓
実はあれから割と早めにムラマツの修理室にスタンダードを送った。
非常にレスポンスが早くて丁寧に回答してくださった。
その結果、私が思っていた通り古いのに状態がとても良いとのこと。
実際、細かく分解してみたらたくさん部品交換が必要になるかもしれないけど、見た目通りだと一番安いオーバーホールのコースで行けそうとのことだった。
しかし、あまり期待すると交換しなければならない箇所がいっぱい見つかって料金が嵩んだりした時の心が折れるかもしれないので、一番費用がかかるコースになると思っておこう。
修理室の方もそのように仰っていた。
何度も送って今以上に狂ってしまうのも良くないので、来年の10月までそのまま預かっていただくことにした。
中学生の時に買ってもらい、いろんなことを一緒に乗り越えてきた楽器が、新品同様に還ってくるのだから本当に楽しみである。
世の中、来年のことをいろいろ言われていて暗い気持ちになるけれど、一つ楽しみが増えた。
スタンダードはそれまでの楽器とは違って、吹けば吹くほど音色や響きが変わって楽しかった。
なぜ変えたのかというのは、その時の私の奏法ではなかなか表現できなかったところもあったし、リングキーを吹きたかったのもある。
その後、二本買い替えて今の楽器に収まっていた。
自分の息でいろいろ表現できる可能性が広がって、息の使い方が変わったのだけど、昔から私の演奏を聴いていた友人、知人などは、前のスタンダードでの演奏が好きだったと言っていた。
聴く立場と吹く立場の見解が分かれる不思議。
当時は自分の力量では表現しきれなかったスタンダード。
H足部管が少し重く感じるようになり、リングキーが少し不安になってからもう一度スタンダードを吹いてみた時、あの時苦労したことがなかったかのようにちゃんと表現できるようになっていた。
音量はそれほど出ないけれど、スタンダードをちゃんと保管していて良かったと思う。
そんな経緯を考えていたら、やはりある程度は楽器に依存することもあるけれど、結局こうやって古い楽器に戻れて、あの頃苦労していた息の使い方、タンギングの仕方が殆ど自分の感じ方や考え方ができていなかったのだと思うのである。
でも、その過程は間違いとかではなく、多分みんな通る道。
いつも「どうしたら・・・」という欲求が必要だったんだと思う。
自分が変わることを助けてくれた今のフルートも素晴らしい楽器と言える。
来年の今頃は楽器が生き返るのを楽しみにまだまだ頑張りたいと願う。