ダブルタンギングの練習
今日はタンギングの役割について確認しましょう。
タンギング、難しくてできなーい!
ちゃんとタンギングしているつもりなのにできていなーい!
と、タンギングが苦手な方が多いですね。
私はタンギングに関してはあまり苦労しなかった方なのですが、
それでも、表現のタンギングとなるとなかなかうまくいきません。
タンギングは表現するための道具なのですが、
何故か自在にコントロールしきれないもののひとつですので
出来ているつもりでも言い聞かせるように
毎日練習したほうが良いものです。
さて、タンギングの練習のヒントをお伝えします。
ダブルタンギングの練習をする前には
しっかりしたシングルタンギングが出来ていることが必要です。
《シングルタンギング》
まず、母音それぞれの発音を試してみると良いでしょう。
- ta,ta,ta,ta,ta
- ti,ti,ti,ti,ti
- tu,tu,tu,tu,tu
- te,te,te,te,te
- to,to,to,to,to
上記の発音でフルートで使う主なタンギングは3と4。
でも、現代奏法などでは全部使うこともあります。
16分音符♬の連符で、♩が120くらいまでできるようにしておくと良いと思います。
《ダブルタンギング》
ダブルタンギングの練習方法として次のようなパターンがあります。
ダブルタンギングとは早いパッセージに全てタンギングしなければならない場合
tu ku tu ku・・・・と発音することです。
しかし、どうしても、
tuというよりkuと発音する方がどうしても弱くなってしまいます。
これはtuよりもkuの方が舌の奥で発音するためです。
ですのでこのkuの発音をハッキリさせるために
kuだけでスケール等で全て発音して音を出す練習をします。
ku ku ku ku・・・・
という風にです。
くくくく・・・と笑っているあなたはすぐできるかも?
最初はこれを始めると1分もしたら舌が動かなくなるくらい疲れます。
疲れて動かなくなったら止めます。
そして、時間を置いて練習します。
そして、次の日も、また次の日もです。
たった何分間かを続けて練習していくと
舌の筋肉が強化されてkuが幾分はっきり発音できるようになります。
ダブルタンギングの練習曲はアルテの3巻に出てきますが
わざわざ買わなくても、音階やエチュードや小品で練習できます。
例として以下のものをあげておきます。
音階は、タファネル&ゴーベールの17のメカにスム日課大練習
エチュードでは、ドン・ジョンの「エチュード・サロン(サロン・ド・エチュード)」
エチュードサロンでは「GIGUE」以降からできますが、
「LE FOLLET」と「LE TAMBOUR」がおススメです。
小品では、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のScherzoや
バッハのソナタNo.4,C-durから2楽章Allegroなども良いと思います。
この2曲ともある小品集がジェームズ・ゴールウェイのMagicFluteという楽譜があります。
上記を以下の3種類で発音していくこと。
- 「ku ku ku ku….」
- 「ku tu ku tu….」
- 「tu ku tu ku….」
また、タンギングの練習はフルートを構えなくてもできますので
気が付いたら歩きながらでもtukutukuと発音すると良いでしょう。
《気をつけたいポイント》
kuという発音がハッキリ聴こえない原因として、ひとつあげられるのが
tuという発音が強すぎる点にあると思います。
kuの強さに近づけてバランスをとってみると良いでしょう。
結果的に、「du gu du gu」あるいは「le ku le ku」のような発音になるかもしれません。
このほかにトリプルタンギングとかフラッターツンゲというタンギング奏法がありますが
今回は割愛いたします。