身体の観察と動作(2012.06.15)

私がフルートを始めたのは8歳の頃でした。
フルートという楽器は楽器の特質上(管楽器は大きさ、長さによって音域が違ってきます)ヴァイオリン(弦の太さで音の高低が決まる)のように体格に合わせたサイズのものはなく、当時は子供用に開発された頭部管がU字に曲がったものもありませんでしたので、小さい身体で大人と同じサイ ズであるフルートを一生懸命吹いてました。

私は子供の頃ながら普通の体格でしたが、同級生のなかでも指も長めで握力もそこそこあったので、先生からレッスンに通う許可をもらっていましたが、それでも、腕も思い切り伸ばし、楽器を支えなければなりませんでした。

レッスンでは、非常にフルートの重みで腕や肩が痛くなり、「息は長く腹式も意識し、音符も読んで」と一度にいろんなことを処理しなければならないので、だんだん姿勢も崩れていきました。
先生に何度も注意されてましたが、とにかく楽になりたかったのを覚えてます。 何度もおっしゃってくださったのに、どうしても、疲れるから練習の時間も短く、でも新しい曲のことばかりが先頭になってしまい、本当に先生にはお詫びのしようもありません。

そうこうしているうちに、楽器の3点支持などもほとんど考えられなくなって、今から思うと、高校生になるまでとても美しい姿勢ではありませんでした。
そんな私が高校生になったとき、もう一人の先生の指導を受けたころでしょうか。
先生の美しい姿勢と音色に間近にし、楽器の支えや姿勢に自ら気を付けるようになりました。

思うように指が動かないのは、姿勢や構え方ということです。

若い時というのは、少々構え方が悪くても練習しさえすれば難しいパッセージも吹けるようになるもでしたが、息のコントロールを、音程、音色のことを考えるともっと踏み込んで自分の身体のことを考えなければいけないと思うようになりました。 ですから、私の教室では「身体観察」することをうるさいと思われるくらいに指導しています。

20年くらい前でしょうか、東京のM先生のところにレッスンに行ったときには、人の身体の解剖図と、骸骨の模型で仕組を教えていただきましたし、その時はなるほどと思いました。
そして、以前のコラムでも「自律訓練法」も取り入れて、メンタルからくる筋肉の緊張の緩和も必要と思うようになりました。 そして、最近では、それらが楽器演奏上にとても大事な要素を統合してます。

多分、これからも、年齢的な問題がからんでくる可能性はあると思ってます。 それが、今後の課題ではないかと思います。 さて、そこで、皆さんにお勧めするのが、エステル・サルダ・リコ著「図解 音楽家のための身体コンティショニング−ベストな状態で演奏に臨むために」です。

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